仏画について

1 仏画とは

 仏画は、古くから寺院などの法事、仏事、祭事における法会、修法等の御本尊として、また、経典の内容をわかりやすく伝えるための説話画として用いられてきました。 そしてそれらは同時に、日々の暮らしにおける人々の心の拠り所となってきました。

 仏画は、納められた寺院等において、「魂を入れる」という儀式を経て、初めて仏画として完成され、ご本尊として祀られます。
 また、個人の仏画においては、持ち主の真摯な思いが魂となって画に伝わり、その方の唯一無二の仏画となります。
 仏画小野では代々、持ち主の下で魂が入ってこそ完成に至り、その方の仏画となるという考えを大切にし、仏画師はあくまで仏様のお姿を無心で描くものであるため、表に出ず、自らを常に無にして描かなければならないという、代々受け継がれてきた精神を大切にし、魂の宿る仏画を描けるよう心がけています。

2 仏画の種類

 「仏画」という名称がさすものは、文字通り「仏様」が描かれているものだけを指すのではなく、仏教の教えにつながる絵画の総称です。
 例えば、この「浄土真宗本願寺派太子孝養図」や、ホームページのトップページに流れている絵巻物「真宗大谷派親鸞聖人御絵伝」も仏画の一つです。

 一般的に描かれている仏画で、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
 仏画小野は、以下の種類のすべてものを、ご希望の様式で制作いたします。

如来図
釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来など、宗派の本尊として数多く描かれている仏画です。
菩薩図
観音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩など、本尊の随時として三尊物図なども多く描かれており、人々の救済を願うものの為、身近に接する機会の多い仏画です。
明王図
密教特有の仏画です。五大明王図、愛染明王、不動明王等があり、菩薩像のやさしさだけでなく、頑強な反仏教的な物に対して恐ろしい外観(外貌)と激しい忿怒形で描かれます。
天図
元々は異教の神々が、仏教に取り入れられ、仏法を守護する護法神とされたものが描かれたものです。十二天図、十二神将図、大黒天、鬼子田神、吉祥天、閻魔王、弁才天、七福神など、一般に親しみがあります。
肖像画
主に僧侶の肖像画が描かれます。禅僧の肖像画である頂相、僧侶に関係なく依頼主の顔を写実的に細密に描く似絵などがあります。
祖師像
各宗派の祖師を描いた仏画です。各宗派の重要な僧侶など、様々なものがあります。弘法大師、伝教大師、法然上人、善導大師、親鸞上人、蓮如上人、太子七高僧図、二祖対面図、真言八祖図等が描かれたものがあります。
その他
各宗派宗祖様の御絵伝、荒神、明神などを描くものや、地方によっては伝承画などもあります。
大和絵
平安時代に発達した日本画の様式で、仏画は、この大和絵を元にしたものが多数を占めます。源頼朝像のようなものや、各種絵巻物、各宗派の御絵伝や縁起物の巻物は、この様式からなります。

⇒ 仏画小野が描く仏画の作品例は、こちらに掲載しております。